インボイス取り下げ最多 開始10月 9565件 累計3・1万件超
消費税のインボイス(適格請求書)発行事業者の登録を取り下げ・失効した件数が10月9565件と、単月で最多だったことが「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP!インボイス)の調査で分かりました。分析を始めた2022年6月から累計3万1385件に達しました。
取り下げ件数は、国税庁「インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト」のデータを基に、当月と前月の登録番号を全件(23年10月末現在の登録件数406万5405件)比較。前月に登録されていた番号が当月になくなっていた場合に取り下げとしてカウントし、毎月集計したものです。廃業、合併、企業統合で登録番号を失効したものも含まれています。
特に個人の「取り下げ・失効件数」が7747件と突出。10月制度開始の直前で、インボイス登録が必要か、一度取り下げようとした人が多かったことが分かりました。
10月1日時点で公表サイトに存在している番号は7年間削除されないはずでしたが、10月に入っても「取り下げ」手続きが完了した分から登録情報が消去されています。
STOP!インボイスは「制度開始前に何万もの登録取り下げが発生する制度が他にあったか。混乱を招いた制度であったことは、間違いなく言える」と指摘しています。
免税業者がインボイス登録をすると、課税業者になり消費税を納めなければならず、事務負担も増えます。免税業者のままでも取引先から値引きや取引中止を迫られます。
【12月17日 しんぶん赤旗より】
(にいざ民報 2023年12月24日 No.2018)