学校現場における香害対策について

黒田みき議員
黒田みき議員

香害とは、合成洗剤や柔軟剤、化粧品などに含まれる合成香料によって様々な健康被害が誘発されることを言います。香害が原因で、日常生活にも深刻な影響を及ぼす化学物質過敏症(CS)を発症する人もいます。相談を寄せた市民の方は、「4年前からたばこと柔軟剤でせきが止まらなくなりました。CSと診断を受け、柔軟剤など強い臭いをさせている人の近くにいると、鼻腔の炎症、頭痛、胸痛、腹痛や目まい、吐き気などの症状が出ます。シャンプーやハンドソープ、化粧品や商品の香料にも反応してしまうようになり、食べかけのものが置かれていても苦しくなります。人に伝えるのも難しく、分かってもらえないつらさがある」と話していました。症状だけではなく孤独にも苦しんでいます。重症になると、仕事や家事ができない、学校に行けないなどの通常の生活さえできなくなる深刻な環境病です。

黒田みき市議は3月議会の一般質問で、学校現場における香害対策について取り上げました。

黒田:新座市でも実態の把握や、市民への周知、予防のためにアンケート調査をしてはどうか。

教育長:香害は集団生活の中では注意をしなければならない問題だと考えている。養護教諭と情報を共有して子どもたちの実態を把握をして対策を取っている。厚岸町(北海道)では約10%ほどの児童・生徒がいるという調査結果があるので、本市においてもその程度の香りに苦しんでいる児童・生徒というのはいるのではないかということは推測できる。
今年度、養護教諭で把握しているのは、小学校で給食着の柔軟剤の香りで気分が悪くなったなど、児童から4件、教職員からも4件、中学校の生徒からは1件、訴えがあったという実態がある。ポスターを目立つところに貼ったり、給食のエプロンについては香料の強い柔軟剤を控えるよう学校のホームページや、給食だよりを出している。学校で使用する洗剤とか石けん、ワックスなどは無香料の製品を使用するよう努めている。香害に対する認知度はまだまだ低いので、様々な機会を通じて啓発に努めていきたい。

黒田:必要に応じて、個人所有のエプロンを持参する対応をしてはどうか。

学校教育部長:個人所有のエプロンの使用を認める事例もあったと聞いており、可能です。

埼玉県の香害啓発ポスター
埼玉県の香害啓発ポスター

(にいざ民報 2024年4月14日 No.2029)