「先生、忙しすぎ?」 過労死ライン超える長時間労働の改善を

笠原すすむ議員

「先生、忙しすぎ?」という記事が、朝日新聞で6月に4週連続で掲載されました。働き方改革が全国で問題になっていますが、9月市議会の一般質問で、笠原進市議は「教職員の多忙化解消について」取り上げました。

笠原市議は、「10年間この問題を取り上げてきたがなかなか改善されない。長時間労働を放置すれば子どものためにも良くない。教師の仕事は良い授業をすることが一番の中心だと思いますが、新しい本を読んだり、よく考え準備する時間もない状況ではよくない。改善が絶対に必要。教育委員会はどのような努力をしているか。」と質問しました。

金子教育長は、「笠原議員には平成21年に私どもが厚生労働省の文書を認知していないと叱られた記憶があるが、そうした質問を受けながら、私どもとしても改善できるところは改善してきたつもりだが、まだまだ道半ばであると認識しています。平成23年にパソコンを全教職員に配布し、出席簿や名簿などを記入する事務の軽減化を図ってきました。夏休みに日直を置かない閉庁日を定め、今年度は3日間としました。今年度からICカードによるタイムカードを全校に導入し、それぞれの在校時間をチェックしています。留守番電話機能も今年度から取り入れ、小学校ですと6時30分になると、「本日の業務は終了しました。」とメッセージが流れ、保護者がいろいろ電話をかけてきても時間外の対応はしないことにしました。こうしたことを進めてきましたが、依然として在校時間は長く、昨年と比べてもほぼ変化なしという状況です。この要因は何かということですが、仕事の量が減っていないということが最大の原因だと思います。授業時数が増えるばかりで、学校の教員はいつも追われているような状況になっています。抜本的な改善を図るには、市だけでなく国を挙げて進めていかなければと考えています。また、教員同士がチームで効率化を図る、ムダを省いていく事が必要と考えています。夜遅くまで残って仕事をするのはがんぱっている先生だということではなく、段取りが悪く効率が悪いことが原因なのだという発想の転換が必要と思います。学校の業務は軽減どころか増えています。授業を中心にした業務として、アウトソーシングできる業務は外に出していくなど、見きわめをしっかりして効率化を図って多忙化解消を進めていきたいと考えています。」と答弁しました。

笠原市議は、「教職員を増やすことが多忙化解消のためには絶対必要だ。新座市議会でも国へ意見書を送ったが教育長も国や県へ要望してほしい。資料で5月、6月の残業時間数の一覧表を出してもらった。これは月曜日から金曜日までのもので土曜、日曜の出勤などは入っていないが、それでも平均で1日3時間近くになる。一か月60時間を超えている。平均で月80時間以上の教職員も多数いる。過労死ラインを超えている人がこんなに多くいる職場は異常で、絶対に改善が必要だ。」と指摘しました。

教職員の残業時間の一覧

(にいざ民報 2018年11月4日 No.1788)