市民ニーズに応える、コミュニティバス『めぐーる』 文教生活常任委員会・行政視察で石川県白山市を訪問

白山市は平成17年に1市2町、5村の合併により誕生した、総面積754・93㎢、人口は11万3千人、石川県最大の広さを持つ市です。

平成19年4月から、鉄道、路線バスのない交通空白地帯を主に運行し、地域住民の通院、買い物、通学などの支援をしています。運賃は1乗車毎に100円、回数乗車券や1ケ月3千円などの乗り放題券も準備されています。平成30年4月からは75歳以上の方、障害者手帳所持者等の方は無料化にしています。平成30年度実績で約15万人、一日に約620人、1便につき4・7人が利用されています。運賃収入は約600万円で収支費5・1%、ほぼ税金で運行されている福祉バスです。

『めぐーる』は「高齢者の外出機会を増やしたい。できるだけ長く元気で暮らしてほしい」という思いに貫かれた様々な工夫がありました。

デマンド運行

●満75歳以上の申請のあった市民に無料乗車券を交付。これにより利用者は前年度比約11%増加しました。
●高齢者が運転免許証を自主返納した場合、2万円相当の「めぐーる」回数券やタクシー共通乗車券、北陸鉄道(株)のlca、JR西日本ICOCAのいづれかを交付。
●年に一度、2週間の無料乗車期間を実施。
●時刻表の全戸配布。
●民間事業者等の広告を有料で掲載することで市の新たな財源の確保、地域経済発展に寄与するために実施。

利用促進

●利用者の少ない地域はデマンド方式を採用し、バスダイヤを維持した中での運行の効率化を図っています。
「デマンド運行」とは、利用者の事前予約に応じる形で運行経路や運航スケジュールをそれに合わせて運行する地域公共交通のことです。
利用者は、運行前日の午後5時までに「○月○日の○時に□□□のバス停で乗ります」と電話で予約をします。運行する便がWEB上に表示され、運行業者が決定する仕組みです。保育園の送迎が予約率83%なのが特徴的です。

白山市は平成17〜18年度にかけて検討されました。

新座市でも今後公共交通会議で全面的な見直しが行われます。今年度は財政がないという理由でコンサルトヘの委託が見送られましたが、早く検討に着手できるように求めていきます。

今回の白山市の公共交通の考え方や、経緯、デマンド運行をはじめとした市民にバスを利用してもらえる工夫は、大変参考になりました。

(記・辻みき市議)

文教生活常任委員会・行政視察で石川県白山市を訪問

(にいざ民報 2019年5月26日 No.1813)