『財政がない』のに全国初の新制度を予算化 公平な財政運営と言えるのか

笠原すすむ議員

6月議会の一般会計予算に、被災住宅復旧修繕資金補助金が計上されました。浸水被害を受けた個人住宅が対象で、50万円以上の修繕工事を行った場合5%(上限10万円)の補助をするというものです。担当課長は全国初の制度と説明しています。

建設常任委員会で笠原進市議は、「住民からどのような要望があってこの制度を作るようになったのか。」と質問しました。

担当課長は「浸水のために改修したということはリフォーム助成制度があった時には出てきませんでした。その他は、うちの方で調査していませんので、(市民要望は)把握しておりません。」と答え、住民要望があって制度を創設したわけではないと認めました。

また、笠原進市議は「3月議会で『財政が大変』といって(浸水した時の修繕工事も対象になっていた)リフォーム補助制度を廃止したのに、同じ担当課長が6月議会で全国で初の補助制度を新設するということは理解しにくい。どのような検討の結果、このようになったのか。」と質問しました。

担当課長は答弁に窮し、「リフォーム補助制度と今回の新制度は違う制度です。」と繰り返し、最後に「突然に来る災害について生活のための支援として必要かどうかという検討したところ、必要であるという見解が市で出ましたので、今回市としての、補正予算として計上させていただいたというところでございます。」と答弁しました。「必要であるということの見解が市で出ましたので」という、課長の答弁は担当課が判断したわけではなく、もっと違うところで見解が示されたということを示しています。

6月19日市議会最終日の本会議で、補正予算の討論が行われました。公明党の野中議員が賛成討論で、「被災住宅復旧修繕資金補助金は、公明党が要望書を提出し、公明党議員が一般質問をしてできたものです。全国初ですばらしいものです。」と発言しました。

笠原進市議は、「建設常任委員会の審議で、住民要望があってできた制度ではないことはわかっていましたが、今の討論で公明党の要望で、この制度となったことがわかりました。制度自体に問題があるとは思いませんが、市長はじめ、皆さんは、『財政が大変なので、止めざるを得ない』と言って、住宅リフォーム補助制度、難病患者見舞金、おむつ代補助など多くの市民サービスを削減、廃止している。予定していた市内循環バスのコンサルタント会社への委託を引き延ばし、保育士への住宅補助も担当課が要望しても『金が無い』として実施しない。こうした状況なのに、公明党が要望したら、全国初の新制度を予算化するというのは、財政運営として理解できない。公平な財政運営と言えるのか。特に、市長と財政部長の責任は大きいと思う。」と厳しく批判しました。

(にいざ民報 2019年6月30日 No.1818)