「中小企業潰しのインボイス中止」の意見書 共産党が提案 公明党・政和会・由臨会反対で否決

新座市議会6月議会

6月16日新座市議会6月定例会の最終日に、日本共産党市議団は3本の国への意見書を提案しました。

「教員不足解消のため、定数改善など基本的な改善を求める意見書」は嶋田好枝市議が提案しました。全国の公立学校での教員不足は深刻で、5月1日時点で2065人が未配置です。平均勤務時間が1日12時間という長時間労働で、精神疾患の休職者が毎年5千人を超える状況にあります。正規教員増を図るなどの抜本的な対策を求める意見書です。

「保育所等の職員配置基準の引き上げ、及び保育士の賃金引上げのため公定価格の抜本的な改善を求める意見書」は石島陽子市議が提案しました。保育士の配置基準は1948年につくられ、4歳児・5歳児は子ども30人に対し保育士1人と70年以上前のままです。また、保育士の賃金は全産業の平均賃金より月8万円以上も低いままです。これらの改善を求める意見書です。

意見書2本が賛成多数で可決

この2つの意見書は、共産党・市民と語る会・公明党・政和会の賛成で可決されました。由臨会は反対意見を述べることなく、両方とも反対しました。

「インボイス制度の実施中止を求める意見書」は小野由美子市議が提案しました。共産党と市民と語る会が賛成しましたが、他会派の反対で否決されました。

インボイス制度中止 笠原市議が討論

笠原進市議は次のように賛成討論しました。
「来年10月から実施予定のインボイス制度により、文化・芸術関係の編集者、カメラマンなどのフリーランス、個人タクシー、農家、建設業の一人親方、ウーバーイーツなどの宅配パートナー、電気・ガスの検針員、シルバー人材センターなど1000万人前後の人たちが影響を受けます。財務省に今年の1月から3月までに145件の『インボイス制度の廃止を求める意見書』が全国の地方議会から届いています。新座市議会でも反対の声を上げましょう。シルバー人材センターは困っています。会員は請負などの契約で働いており、消費税法では事業者として扱われます。そのため、インボイス制度が導入されると、会員が課税業者になるか、ならないならばセンターが消費税を負担しなければなりません。シルバー人材センターの消費税は全国で200億円、1か所平均で1500万円と言われています。新座市のシルバー人材センターでも昨年から理事会はこの問題で困っています。月3万〜4万円の収入しかない会員を事務処理が大変なインボイスの課税業者にすることはできない。だからといって、1500万円の消費税の財源をどこから生み出すか、シルバー人材センターの存続が危ぶまれる事態にどこでも追い込まれています。インボイス制度の廃止の声を新座市議会としても上げるべきです」

6月議会 共産党提案の意見書の採決結果

(にいざ民報 2022年6月26日 No.1951)